RECEPTIONISTを導入し、運用が安定してくると「特に困っていないから、このままでいいか」という状態になりがちです。
しかし、実際に使っているのは社員だけではなく、受付を訪れる来訪者もまた”利用者”の一人です。
運用している側が「問題ない」と感じていても、実際に使っている社員や来訪者からすると、地味に不便に感じている点があるかもしれません。
この記事では、社員と来訪者、両方の声を集めて受付の運用を見直すためのポイントをご紹介します。
なぜ「声を聞く」ことが必要なのか
RECEPTIONISTのような日常的に使うツールは、一度運用が固まってしまうと、良くも悪くも「当たり前」になっていきます。
当たり前になるということは、多少の不便さがあっても「まあこんなものか」と受け流されやすくなる、ということでもあります。
厄介なのは、この”慣れ”が運用側にも利用者側にも同時に起きるという点です。
総務や受付担当者は、日々の対応の中で自然と回避方法を身につけていくため、不便さそのものに気づかなくなっていきます。
一方で、社員や来訪者も「毎回のことだから」と我慢したり、そもそも「不便だ」と声を上げるほどのことでもないと感じて、フィードバックせずに済ませてしまいます。
結果として、双方が黙って受け流すことで、不便さは表面化しないまま運用に組み込まれていきます。
例えば、次のような状態に心当たりはないでしょうか。
- 通知に気づくのが遅れて、来訪者を待たせてしまっている
- カスタムボタンが分かりにくく、来訪者が毎回迷っている
- 受付完了後の案内が不十分で、社員に道を聞かれることが多い
いずれも、致命的なトラブルというほどではないため、わざわざ問題として取り上げられることはありません。
しかし、こうした小さな不便さは積み重なっていくと、来訪者が受ける印象や、社員の来客対応にかかる負担にじわじわと影響を与えます。
運用側からは見えにくく、実際に使っている人に聞いてみて初めて分かることが多いからこそ、意識的に「声を聞く」機会をつくる必要があるのです。
誰の声を、どうやって集めるか
声を集めるといっても、社員と来訪者では見えている景色も、集め方の勝手も異なります。それぞれどんな観点で、どう声を拾えばいいのかを見ていきましょう。
社員の声を集める
社員側からは、主に「来客対応をする側」としての使い勝手を聞くのがポイントです。
- 来客通知に気づきやすいか
- カスタムボタンや来訪目的の選択肢は実際の業務に合っているか
- 来訪者記録のメモ欄や引き継ぎ機能を活用できているか
- 受付リアクション機能などを使っていて不便に感じる点はないか
こうした観点で聞いてみると、意外な声が集まることがあります。
社員アンケートというと身構えてしまいがちですが、大掛かりな仕組みは必要ありません。
社内チャットで「受付についての困りごとがあれば教えてください」と一言投げかけるだけでも十分ですし、来客対応の多い部署にピンポイントでヒアリングするのも効果的です。
定期見直しのタイミング(年度替わりや組織改編時など)にあわせて、簡単なアンケートフォームを作成するのもよいでしょう。
特に来客の多い部署は、日々の運用の中でちょっとした不満が積み重なりやすいので、優先的に声を聞いてみることをおすすめします。
実際にヒアリングをしてみると
- 「通知は届いているが、会議中は気づかないことが多い」
- 「カスタムボタンの中に、もう使っていない部署名のものが残っている」
- 「来客が重なったとき、誰が対応すべきか分かりにくい」
といった声が挙がることがあります。
こうした声は、運用している総務・受付担当だけでは気づきにくいものです。
実際に来客対応をしている現場の社員だからこそ見えている課題として、真剣に拾い上げる価値があります。
来訪者の声を集める
来訪者側の声は、社内では気づきにくい”受付の第一印象”に関わる情報です。
- 受付の操作は分かりやすかったか
- 呼び出しから対応までの待ち時間に不満はなかったか
- 会議室までの案内は十分だったか
- こうした観点を意識して声を拾ってみましょう。
来訪者に直接アンケートを取るのはハードルが高いと感じるかもしれませんが、負担なく声を拾う方法もいくつかあります。
受付完了画面のカスタム受付設定を使い「案内は分かりやすかったですか」といった簡単な項目を追加する方法(エンタープライズプラン以上)や、頻繁に来社する取引先には対応した社員経由でさりげなく感想を聞いてもらう方法、社内の営業・採用担当など来訪者と直接話す機会が多い社員から間接的に声を拾ってもらう方法などです。
来訪者からの直接的なフィードバックが難しい場合は、対応した社員の「今日のお客様、案内に迷っていた」といった気づきをメモとして残してもらうだけでも、十分な材料になります。
来訪者の立場に立ってみると、社内では当たり前になっている操作でも、初めて訪れる方にとっては分かりにくいことがあります。
受付コードやQRコードでの受付操作に慣れておらず操作方法が分からず戸惑ったり、カスタムボタンの表記が社内用語で書かれていて部外者には意味が伝わらなかったり、受付が完了した後にどこで待てばいいのか案内がなく不安になったり——といった具合です。
こうした声は、初めて来社する方や、たまにしか来社しない取引先からこそ拾いやすいものです。
頻繁に来社するリピーターの来訪者は操作に慣れているため、あえて「初めて来社する方」を意識してフィードバックを集めると、より実態に近い課題が見えてきます。
声を集めた後にやること3選

声は集めて終わりではなく、実際の改善や仕組みにつなげてこそ意味があります。
ここでは、声を集めた後に何をすればいいのか、具体的なアクションを整理します。
運用改善につなげる
声を集めるだけで満足せず、実際の設定変更につなげることが大切です。
- 通知の見逃しが多い → 通知先の見直し、受付リアクション機能の活用を検討
- カスタムボタンで迷う声が多い → ボタンの表記・数を見直す
- 案内が分かりにくいという声がある → 受付完了画面の画像表示やウェルカムテキストを充実させる
すべてを一度に変える必要はありません。
声の中で特に多かったもの、対応コストが低いものから優先的に手をつけていくと、無理なく改善を進められます。
改善の効果を検証する
設定を変更したら、それで終わりにせず、実際に改善につながっているかを確認しましょう。
例えば通知先を見直した場合は、その後しばらく運用してみて、再び「気づかなかった」という声が出ていないかを社員に聞いてみる。
カスタムボタンを整理した場合は、来訪者が迷わず選べるようになったかを、対応した社員の感触から確かめる、といった具合です。
改善したつもりが、実は別の不便さを生んでいた、というケースも少なくありません。
変更後の状態も含めて、もう一段階声を拾っておくことで、次に何を見直すべきかも見えやすくなります。
定点的に声を聞く仕組みをつくる
一度だけ声を聞いて終わりにするのではなく、半年に1回など、定期的に声を集める機会を設けておくと、組織の変化や運用の慣れによって新たに生まれる不満にも気づきやすくなります。
これまでの記事でご紹介してきた「定期見直しのタイミング」(年度替わり・組織改編時など)にあわせて、声を集める機会も一緒に設計しておくと、設定の見直しと現場の声を反映するサイクルを無理なく回せるようになります。
まずは身近な一言から始めてみる
受付は、社員にとっても来訪者にとっても、日常的に触れる接点です。運用側が「問題ない」と感じていても、実際に使っている人からすると気づいていない不満が隠れていることは少なくありません。
まずは、身近な社員に一言「受付について困っていることはある?」と聞いてみるところから始めてみてはいかがでしょうか。